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【コラム】生活者発想イノベーション、ということ

文・博報堂イノベーションラボ・リーダー
粟田恵吾

博報堂イノベーションラボ(通称イノラボ)を創設して早6年、前身である博報堂フォーサイトから数えれば丸10年の月日が経ちました。

不連続な未来変化を洞察することへの興味から始まった取り組みは、当初からマーケティング畑の人よりもR&Dなどイノベーション畑の人からの問い合わせが高かったものです。最近でこそ企業経営におけるイノベーションの重要性(技術革新ではなくビジネスイノベーション)が見直されていますが、創業者精神が希薄になった現代日本においてイノベーションのリーダーシップを執る経営者はまだまだ少ないのではないでしょうか。

この10年間、イノベーションという現象につきあって感じていることがあります。イノベーションは既存の組織・社会にとっては“不連続なストレッチ”を強いる場合が多く、それゆえに世に出る前は理解・応援しがたいという性質を持っているということ。一方で、未来の生活者にとっては「そうあって当たり前」と思われるような、“不可逆な認識や行動”を伴うアイデアが多いということ。イノベーションが、ブレイクスルーとかパラダイムチェンジと言われる所以だと思います。

しかし、そうした性質を持っているアイデアを、一握りの奇才や偶発性に依存せずに、戦略的に計画的に組織的に生み出すにはどうすればよいか。現在の課題やケイパビリティに縛られずに、自分自身が「未来の生活者の一人」になったつもりで「あるべき状態」を思い描くことで様々なインスピレーションを得ること、これがイノラボのイノベーション創造のフィロソフィーです。名付けて「生活者発想イノベーション」。そして、そのためのさまざまな方法論を研究・実践しながらイノベーションのアイデアを生み出す方法論を確立してきました。

「未来洞察」では変化の兆しを捕まえるスキャニング手法を活用することで、ETHNOVISIONではエスノグラフィックリサーチを活用することで、現在視点から解放する“アウトサイドイン発想”を支援し、不連続なビジネス機会や未来価値をデザインしています。また、生み出されたアイデアは、時に米国IDEO社などデザインコンサル会社と協働しながら、よりリアリティのあるビジネスデザイン(サービスデザイン)に落とし込んでいます。

また、一企業の視点やケイパビリティの制約を超えるオープンイノベーションの場を企画運営し、例えば超高齢社会におけるビジネス機会の創発(Aging Matters)など、社会テーマ型課題デザインにも取り組んでいます。

さらに最近増えているのは、そうしたアイデアを組織的に生み出せるような人材育成や組織環境の再構築についての相談です。東京大学i.schoolを初めとしてイノベーション教育の場に協力することで始まった取り組みは、イノベーションを生み出すための組織内外のエコシステム(生態系)のデザインに繋がっています。

イノベーションのための未来価値デザイン、ビジネスデザイン、社会テーマ型課題デザイン、エコシステムデザイン。すべては生活を革新する新価値の創造のために。


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